凸版印刷の版(樹脂版)をつくる

コースターの製造会社さんに、コースターの印刷に最も使われている、凸版印刷の版の製造工程を見せてもらいました。

 

その時の動画をユーチューブの「平岡チャンネル」にアップしましたのでご覧ください。 

 

今回は、東洋紡の「プリントタイト」という凸版樹脂版材で製版していました。

 

この版材は、紫外線にあたると硬くなり、水に溶けなくなるものです。

絵柄で残したい部分は透明で、他の部分は黒くしたフィルムを版材の上に載せて、紫外線をあてます。

この工程を「露光」といいます。

 

「露光」の時は、版材とフィルムを密着させることと、埃をなくすことが重要です。

版とフィルムが密着していないと、隙間から紫外線が入り、よけいな部分が版として残ってしまいます。

また、埃が残っていると、絵柄として残さないといけない部分に、埃の影ができてしまいます。

本来露光させたい場所(絵柄として残したい場所)に埃の影があると、露光されず、版にキズが残ってしまいます。

そのため、丁寧に空気を抜いて、埃も払わないといけません。

 

「露光」された版の絵柄以外の部分を洗い流します。

この版材は露光されていない部分は水道水で溶けます。

水につけながらブラシでこすることで、露光されていない部分が洗い落とされ、版の凹凸が出てきます。

 

洗出しの後は、版が濡れています。

軽くふき取った後、製版機の一番下にある乾燥の部分で乾燥させます。

最後に再度露光して、版は完成します。

 

「樹脂版」や「製版機」のことは、仕事柄、見たことはありましたが、実際にどのように版が作られるのかは、よくわかっていませんでした。

特に、「露光」がよくわかりませんでした。

今回、実際に版を作っているところを見せてもらい、よくわかりました。

「製版機」には、「露光」と「洗出し」と「乾燥」という3つの機能があるということも初めて知りました。

3つの機械を一つにまとめた機械と言えそうです。

「製版」は、想像以上に手間がかかるし、慎重さが必要な工程だと思いました。